なぜ耳がかゆくなる?原因10個と正しい対処法を解説

当ページのリンクには広告が含まれています。

耳がかゆくなるのは、耳掃除のしすぎや耳垢の蓄積、イヤホンの長時間使用、アレルギー反応、乾燥など複数の要因が重なって起こる症状です。中でも最も多いのは、良かれと思って行っている耳掃除そのものが耳の皮膚を傷つけてしまうケースです。耳の中は皮膚が薄くデリケートな場所であるため、指や綿棒で強く触れるだけでもかゆみの引き金になります。この記事では、耳鼻咽喉科の医療情報をもとに、耳がかゆくなる主な原因を一つずつ整理したうえで、自宅でできる正しい対処法と、病院を受診すべきタイミングについて詳しく解説します。

目次

耳がかゆくなる原因の多くは耳掃除のしすぎ

耳のかゆみで最も多い原因は、耳掃除のしすぎや耳の触りすぎです。綿棒や耳かきで頻繁に耳の中をこすっていると、外耳道と呼ばれる耳の穴から鼓膜までの通り道の皮膚がダメージを受けます。傷ついた皮膚は外部からの刺激に敏感になり、シャンプーやイヤホン、補聴器などちょっとした接触でもかぶれを起こしやすくなり、それがかゆみにつながります。

かゆいから掻く、皮膚が傷つく、傷が治る過程でさらにかゆくなる、また掻いてしまうという流れに陥りやすい点も厄介です。耳垢を取り除くための耳掃除が、やりすぎることでかえって耳を傷つけ、かゆみの原因を作り出してしまいます。耳掃除の頻度は月に1〜2回程度が目安とされており、それ以上の頻度で綿棒や耳かきを使う習慣がある方は、まずその頻度を見直すことが根本的な対策になります。

耳垢のタイプは乾性と湿性の2種類で日本人の約7割が乾性

耳垢そのものが溜まりすぎることも、かゆみの原因になります。耳垢が蓄積すると耳の中がふさがれたような状態になり、湿気がこもりやすくなります。湿った環境は雑菌や真菌が繁殖しやすいため、かゆみだけでなく炎症のリスクも高まります。

耳垢には乾性耳垢と湿性耳垢の2種類があり、これは遺伝によって生まれつき決まっているとされ、大人になってから変化することはないといわれています。日本人の場合、約7割が乾いたパサパサの乾性耳垢で、残りの約3割が湿ってねっとりとした湿性耳垢を持つとされています。

耳垢のタイプ特徴耳掃除の必要性
乾性耳垢乾いてパサパサしている自然に排出されやすく頻繁な掃除は不要
湿性耳垢湿ってねっとりしている耳の中に溜まりやすく耳垢栓塞に注意

乾性耳垢の場合は自然に耳の外へ排出されやすく、頻繁な耳掃除は基本的に不要です。一方、湿性耳垢の場合は粘り気があるため耳の中に溜まりやすく、放置すると耳垢栓塞という状態になることもあります。耳垢が溜まりすぎて耳をふさいでしまうと、かゆみだけでなく聞こえが悪くなることもあるため注意が必要です。

イヤホンや補聴器の長時間使用が耳の中を蒸らす

テレワークや通勤中の音楽鑑賞、オンライン会議などでイヤホンを長時間使用する方が増えています。イヤホンや補聴器を長時間装着していると、耳の中が蒸れて湿度が高くなり、皮膚がふやけた状態になります。ふやけた皮膚は刺激に弱くなるため、かゆみが生じやすくなります。

イヤホン自体が耳の中に直接触れることによる機械的な刺激も、かゆみの一因です。特にワイヤレスイヤホンを1日に何時間も使用する生活スタイルの方は、耳の中の環境が慢性的に蒸れやすい状態にあると考えられます。イヤホンや補聴器を清潔に保つこと、そして長時間の連続使用を避けて耳を休ませる時間を作ることが予防につながります。他人とイヤホンを共有することも、雑菌や真菌の感染リスクを高めるため避けたほうがよいでしょう。

花粉症のシーズンは耳の奥のかゆみを訴える人が増える

耳のかゆみは、体のアレルギー反応として現れることもあります。シャンプーやリンス、整髪料、ボディソープなどが耳に触れることによる接触性皮膚炎、イヤリングやピアスなど金属アクセサリーによる金属アレルギー、花粉症をはじめとする季節性アレルギーが代表的なケースです。

特に花粉症のシーズンには、耳の中がかゆいと訴える方が増える傾向があります。これは鼻や喉、耳がつながっている構造に関係しており、花粉に対するアレルギー反応が鼻や喉の粘膜だけでなく、耳の奥や外耳道にもかゆみとして現れることがあるためです。花粉症による耳のかゆみの場合、鼻水やくしゃみ、目のかゆみといった他のアレルギー症状を伴うことが多いのが特徴です。アレルギーが疑われる場合は、原因となっているアレルゲンを特定し、それを避けることが基本的な対策になります。耳鼻咽喉科ではアレルギー検査を行い、原因物質を調べることも可能です。

外耳道湿疹と外耳炎は耳掃除の刺激から症状が始まる

外耳道湿疹は、耳の穴の入り口付近の皮膚に起こる湿疹で、強いかゆみとともに、やや黄色みを帯びた透明の耳だれが出ることがあります。皮膚がガサガサしたり、じくじくしたりする状態が見られることもあります。主な原因は、耳掃除のしすぎによる皮膚への物理的な刺激や、耳垢を取りすぎることによる皮膚のバリア機能の低下です。耳の中の皮膚は非常に薄くデリケートなため、少しの刺激でも湿疹化しやすい特徴があります。

外耳炎は、耳掃除のしすぎなどによって外耳道の皮膚が傷つき、そこに細菌や真菌が感染することで炎症が起こる病気です。耳のかゆみに加えて、耳の痛み、耳だれ、耳が詰まったような感覚を伴うことがあります。かゆみを我慢できずに耳をかき続けることでさらに悪化しやすく、かゆい、掻く、傷つく、炎症が悪化する、さらにかゆくなるという流れに陥りやすい病気です。症状が軽いうちに適切な対処をすることが重要とされています。

外耳道真菌症は綿棒に黒っぽい付着物が出たら疑う

外耳道真菌症は、俗に耳カビとも呼ばれる病気で、傷ついた外耳道にカンジダやアスペルギルスといった真菌が寄生することで発症します。耳掃除のしすぎや、外耳炎を繰り返して耳の中が湿った状態が続いている場合になりやすいとされています。主な症状は、強いかゆみのほか、耳の痛み、耳だれ、耳が詰まった感じ、聞こえにくさなどです。耳掃除をした際に綿棒に黒っぽいものや白っぽいものが付着する場合、外耳道真菌症の可能性も考えられます。

治療では、まず耳鼻咽喉科で真菌の塊を丁寧に除去し、外耳道内を洗浄したうえで抗真菌薬を塗布します。かゆみが強い場合には内服薬が使用されることもあります。カビを取り除いたあとは、外耳道を乾燥させた状態に保つことが再発予防につながります。市販薬で自己判断のまま対応を続けず、耳鼻咽喉科での専門的な処置を受けることが望ましい病気です。

耳に水が入った状態や乾燥、ストレスもかゆみの原因になる

プールや入浴、シャワーなどで耳に水が入り、その状態が長く続くこともかゆみの原因になります。耳の中が湿った状態が続くと、雑菌や真菌が繁殖しやすい環境になり、外耳炎や外耳道真菌症のリスクが高まります。水泳を習慣的に行っている方や、シャワーの際に耳に水が入りやすい方は、耳の中を清潔かつ乾燥した状態に保つことを意識するとよいでしょう。ただし、綿棒を耳の奥深くまで入れて水分を拭き取ろうとすると、かえって皮膚を傷つけてしまうため、耳の入り口付近を優しくタオルで拭く程度にとどめることが推奨されます。

冬場など空気が乾燥する季節には、耳の中の皮膚も乾燥しやすくなり、かゆみを感じることがあります。皮膚が乾燥するとバリア機能が低下し、わずかな刺激にも敏感に反応するようになるため、かゆみが生じやすくなります。加湿器で部屋の湿度を適切に保つことや、乾燥対策として保湿を心がけることが有効とされています。

耳のかゆみとストレスにも密接な関係があるといわれています。ストレスが蓄積すると自律神経のバランスが乱れ、それが皮膚のバリア機能の低下につながり、かゆみに対して敏感な状態になることがあります。明確な皮膚トラブルや耳垢の問題が見当たらないにもかかわらず耳のかゆみが続く場合は、生活習慣の乱れや慢性的なストレスが背景にある可能性も考えられます。十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動など、生活リズムを整えることが間接的な対策になることもあります。

耳がかゆくても掻くと外耳炎が悪化する

耳がかゆいときに最も避けるべき行動は、掻きむしることです。かゆみを紛らわせようとして耳の中を強く掻いたり、綿棒や耳かきで何度もこすったりすると、皮膚に微小な傷ができます。その傷から細菌や真菌が侵入すると、外耳炎や外耳道真菌症といった感染症を引き起こし、かゆみがさらに強くなるという悪循環に陥ってしまいます。

爪を立てて耳の中を掻く、綿棒を耳の奥まで強く押し込む、耳かきを頻繁に使用するといった行為も、皮膚への刺激となり症状を悪化させる原因になります。特に子供の場合、かゆみを我慢できずに指や綿棒で耳をいじってしまうことが多いため、爪を短く切っておくなどの配慮も有効です。

耳のかゆみへの対処法はまず掻かずに冷やすこと

耳鼻咽喉科への受診が難しい場合や、症状が軽い場合には、いくつかのセルフケアを試してみるとよいでしょう。ただし、これらはあくまで一時的な対処であり、症状が続く場合は医療機関の受診が推奨されます。

かゆみへの対処の大原則は掻かないことです。かゆみを感じたときは、耳の穴の周辺を軽くさする程度にとどめ、耳の中に指や綿棒を入れて直接刺激することは避けましょう。かゆみが強いときには、冷たく濡らしたタオルや保冷剤をタオルで包んだものを、耳の後ろや耳の穴の周辺に当てると、かゆみが和らぐことがあります。冷やすことで血管が収縮し、かゆみを感じる神経の反応が鈍くなるためと考えられています。直接氷を耳に当てるのではなく、必ずタオルなどで包んでから使用してください。

耳掃除は月1回程度、範囲は入り口から1センチが目安

かゆみの根本原因である耳掃除のしすぎを防ぐには、正しい耳掃除の方法を知っておくことが近道です。耳掃除は月に1回程度で十分とされており、片耳にかける時間の目安は2分程度で、2〜3週間に1回のペースであれば十分という見解もあります。かゆいから、気になるからと毎日のように綿棒を使う習慣がある方は、この頻度まで思い切って減らしてみることをおすすめします。

掃除する範囲にも注意が必要です。正しい耳掃除は、耳の穴の入り口からおよそ1センチ、目で見える範囲の耳垢だけを取り除くのが基本です。綿棒であれば、膨らんでいる部分が耳に入る程度までが目安になります。耳の奥のほうまで綿棒や耳かきを差し込んでしまうと、かえって耳垢を奥に押し込んでしまったり、デリケートな外耳道の皮膚を傷つけて外耳炎を引き起こしてしまったりすることがあります。硬い耳かきよりも綿棒のほうが皮膚への刺激が少なく、耳の穴の入り口を優しくなでるように使うのが望ましいとされています。耳垢が多く自分では取りきれない、耳の奥のほうまで詰まっている感覚があるといった場合は、耳鼻咽喉科で専用の器具を使って安全に除去してもらうのが最も確実な方法です。

耳を清潔で乾燥した状態に保つことが予防につながる

耳に水が入らないよう注意し、入浴後やプールの後は耳の入り口付近を優しくタオルで拭き取るようにしましょう。イヤホンや補聴器を使用している場合は、定期的に清掃し、清潔な状態を保つことも大切です。長時間の連続使用を避け、耳を休ませる時間を作ることも効果的とされています。

部屋の湿度管理とアレルゲン回避も並行して行う

空気の乾燥がかゆみの原因になっている場合は、加湿器を使用するなどして室内の湿度を適切に保つようにしましょう。特に冬場やエアコンを使用する時期は、意識的な湿度管理が有効です。シャンプーや整髪料、金属アクセサリーなど、特定のアレルゲンが疑われる場合は、それらの使用を一時的に控えて経過を観察してみましょう。花粉症の時期にかゆみが強くなる場合は、マスクの着用や帰宅後の洗顔、うがいといった花粉対策を並行して行うことも有効です。

耳だれや痛みを伴うかゆみは耳鼻咽喉科を受診する目安

耳のかゆみが続く場合や、セルフケアで改善しない場合には、自己判断で対処を続けるのではなく、耳鼻咽喉科を受診することが推奨されます。耳鼻咽喉科では、問診や耳の中の視診に加え、必要に応じて細菌や真菌の培養検査、アレルギーの有無を確認する血液検査などが行われます。

耳を触らずにはいられないほどの強いかゆみが続いている、耳の中から汁のようなものが出てくる、かゆみが痛みに変わってきた、1回の耳掃除だけではかゆみが治まらない、あるいはすぐにぶり返す、耳が詰まったような感覚がある、聞こえにくさを感じる、綿棒に黒っぽいあるいは白っぽいカビのようなものが付着した、症状が数日以上続いているといった状態がある場合は、早めの受診を検討しましょう。これらの症状は、外耳炎や外耳道真菌症、あるいはその他の耳の疾患のサインである可能性があります。特に耳だれや痛みを伴う場合は、放置すると症状が悪化し、治療期間が長引くこともあるため、早めに専門医の診察を受けることが望ましいでしょう。

市販薬は症状の種類に応じて成分を選ぶ

耳鼻咽喉科を受診する前に、まずは市販薬で様子を見たいという方も多いでしょう。市販薬を選ぶ際は、自分の症状に合った成分が配合されているかを確認することが大切です。

症状適した成分・タイプ
軽いかゆみで赤みが少ない抗ヒスタミン成分配合の塗り薬
かゆみに加えて赤み・炎症が強いステロイドやグリチルレチン酸配合の外用薬
ズキズキとした軽い痛みアミノ安息香酸エチル配合の外用薬や内服の鎮痛剤
耳だれ・化膿の疑いアクリノール水和物配合の外用薬

薬の形状も症状によって使い分けるとよいでしょう。耳の入り口付近の皮膚がかゆい場合は軟膏やクリームタイプ、耳の奥のほうに痛みやかゆみを感じる場合は点耳薬タイプが向いています。ただし、市販薬は製品ごとに使用できる部位や年齢、使用上の注意が異なるため、購入前に必ずパッケージや添付文書を確認しましょう。市販薬を数日使用しても症状が改善しない場合、あるいは耳だれ・強い痛み・聞こえにくさを伴う場合は、自己判断で使用を続けず、耳鼻咽喉科を受診して適切な診断を受けることが重要です。とくに外耳道真菌症が疑われる場合、市販のステロイド外用薬だけでは症状が改善せず、かえって真菌の増殖を助けてしまうこともあるため注意が必要です。

子供の耳のかゆみは外耳道湿疹や外耳炎が多い

子供も大人と同様に、耳掃除のしすぎや耳垢の蓄積によって耳のかゆみを訴えることがあります。外耳道湿疹や外耳炎は子供にもよく見られる症状で、強いかゆみに加えて黄色みを帯びた透明の耳だれが見られることもあります。

子供の場合、かゆみを我慢できずに指や綿棒で耳を頻繁にいじってしまい、症状を悪化させてしまうケースが少なくありません。対策として、爪を短く切っておく、耳をいじる癖がないか日頃から観察するといった配慮が有効です。治療では、抗菌薬や抗真菌薬の点耳薬を使用して細菌や真菌の増殖を抑えることが一般的です。アレルギーが関与している場合は、抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬が併用されることもあります。子供が耳を痛がったり、耳だれや発熱などの症状を伴ったりする場合は、中耳炎など別の病気の可能性も考えられるため、早めに小児科や耳鼻咽喉科を受診することが大切です。

夏は外耳炎、冬は乾燥が耳のかゆみを招きやすい

耳のかゆみは季節によっても傾向が変わります。夏場は汗をかきやすく、プールや海水浴などで耳に水が入る機会も増えるため、耳の中が湿った状態になりやすく、外耳炎や外耳道真菌症のリスクが高まる傾向があります。汗による蒸れも、かゆみの一因です。

一方、冬場は空気が乾燥するため、耳の中の皮膚も乾燥しやすく、それによってかゆみを感じやすくなります。また、花粉症のシーズンには、地域や花粉の種類によっては春先を中心に秋にも、アレルギー反応による耳のかゆみを訴える方が増える傾向にあります。季節ごとの環境変化に合わせて耳のケア方法を調整することも、かゆみの予防に役立ちます。夏は湿気対策と清潔さを、冬は保湿と適度な湿度管理を意識するとよいでしょう。

高齢者の耳のかゆみは老人性乾皮症が関係することがある

高齢になると、耳の中を含め全身の皮膚がかゆくなりやすい傾向があります。その代表的な原因の一つが老人性乾皮症です。老人性乾皮症は、加齢に伴って皮脂や汗の分泌量が減少し、皮膚の角質層が水分を十分に保持できなくなることで起こる状態です。皮脂の量が減ることで肌のバリア機能が損なわれ、乾燥が進みます。その結果、白い粉状の剥がれやかゆみ、ひび割れ、さらには炎症を伴うことがあります。かゆみを我慢できずに掻き続けると、フケのようなものがポロポロと剥がれ落ちたり、皮膚が切れるアカギレのような状態になったりすることもあります。

耳の中の皮膚も例外ではなく、加齢によって乾燥が進むと、耳の奥までかゆみを感じやすくなります。特に冬場など空気が乾燥する時期には症状が強く出やすい傾向があります。対策としては、体や耳の周りを洗う際に洗いすぎて皮脂を余分に取りすぎないようにすること、室内の湿度を適度に保つこと、入浴後には保湿成分を配合した外用剤で早めにスキンケアを行うことなどが挙げられます。高齢者の場合、かゆみを我慢できずに耳の中を強く掻いてしまい、皮膚を傷つけて外耳炎などの二次的なトラブルにつながることもあるため、周囲の家族が様子を気にかけることも大切です。症状が悪化する場合や広範囲に及ぶ場合は、皮膚科や耳鼻咽喉科を受診し、医師の診察を受けることが推奨されます。

耳のかゆみは糖尿病など全身の病気のサインになることもある

耳のかゆみは、耳そのものの局所的なトラブルだけでなく、全身の健康状態と関連していることもあります。免疫力が低下している状態では、通常であれば問題にならない程度の真菌や細菌でも感染が成立しやすくなり、耳のかゆみや違和感として現れることがあります。糖尿病がある方は、血糖値が高い状態が続くことで白血球など免疫にかかわる細胞の働きが低下し、病原体と十分に戦えなくなることが知られています。その結果、皮膚や粘膜のバリア機能が弱まり、外耳炎や外耳道真菌症のような感染症にかかりやすくなったり、治りにくくなったりする可能性があります。

糖尿病に限らず、何らかの基礎疾患によって免疫力が低下している方や、治療薬の影響で感染しやすい状態にある方は、耳のかゆみが長引く場合や繰り返す場合、単なる耳掃除のしすぎでは説明がつかない場合には、耳鼻咽喉科だけでなく、必要に応じてかかりつけの内科医にも相談することが望ましいでしょう。皮膚のかゆみを放置して感染症が進行してしまうと治療が長引く可能性もあるため、早期の発見と対処が重要とされています。

耳のかゆみを繰り返さないための習慣

耳のかゆみを繰り返さないためには、日頃からの習慣づけが重要です。耳掃除は月に1〜2回程度を目安にし、やりすぎないようにしましょう。耳垢が気になる場合は無理に自分で取ろうとせず、耳鼻咽喉科で除去してもらうことをおすすめします。イヤホンや補聴器は清潔に保ち、長時間の連続使用を避けることも大切です。耳に水が入った場合は、耳の入り口付近を優しく拭き取る程度にとどめましょう。部屋の湿度を適切に保ち、乾燥を防ぐことも忘れないようにしたいところです。

花粉症などアレルギー体質の方は、アレルギー対策を並行して行うことが望ましいでしょう。ストレスを溜め込まないよう、生活リズムを整えることも間接的な予防につながります。何よりも、かゆくても掻かず、冷やすなどの対処で乗り切ることを徹底してください。それでも症状が続く場合は自己判断せず、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。

耳がかゆくなる原因は、耳掃除のしすぎや耳垢の蓄積、イヤホンや補聴器の長時間使用、アレルギー反応、外耳道湿疹、外耳炎、外耳道真菌症、耳に水が入った状態の持続、乾燥、ストレスによる自律神経の乱れなど、非常に多岐にわたります。中でも耳掃除のしすぎは最も多い原因の一つとされており、良かれと思って行っている耳掃除が、かえって耳を傷つけかゆみを引き起こしているケースが少なくありません。かゆいときについ掻いてしまいたくなる気持ちは自然なものですが、耳の中の皮膚は非常にデリケートであるため、掻くことでかえって症状を悪化させてしまいます。まずは掻かないことを徹底し、冷たいタオルで冷やす、耳掃除の頻度を見直す、耳を清潔で乾燥した状態に保つといったセルフケアを試してみましょう。それでもかゆみが続く場合や、耳だれ・痛み・聞こえにくさといった症状を伴う場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診することが大切です。日頃から耳をいたわる習慣を身につけ、かゆみの起こりにくい耳の環境を保っておきたいものです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次