フラットアース説を自分で確かめる方法は?家でできる6つの実験

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地球が丸いことは、月食のときに月へ落ちる地球の影や、離れた2地点で比べる棒の影の角度を見れば、自分の目で確かめられます。必要なのは双眼鏡やカメラ、棒、地図といった身近な道具で、ロケットや高価な装置は要りません。フラットアース説(地球平面説)は、地球が球体ではなく平らな円盤や板のような形をしているとする主張ですが、正しい条件で観察すれば、どの方法でも球体の地球と合う結果が出ます。

この説はインターネットや動画共有サイトを通じて広まり、海外のイベントやドキュメンタリー作品でも取り上げられてきました。信じるかどうかとは別に、自分の目と手で確かめようとする姿勢は大事です。ただし、やり方を間違えると、地球が平らだという誤った結論に見えてしまう実験もあります。その代表例が、イギリスの運河で水面のすぐ近くから遠くを眺めたベッドフォード・レベル実験でした。

観察の結果を左右するのは、高さ、距離、時間帯、天気、空気の状態といった条件です。とくに光は空気の密度の違いで曲がるため、水面や地面のすぐ近くでは見え方が大きくずれます。守りたいのは、条件の記録と、同じ条件での繰り返しと、専門家や教材の解説との照合の3点です。この3点を押さえておけば、家庭での観察でも結論の信頼性はぐっと上がります。

海を望む崖の上で棒を立て、影の長さをメジャーで測る男性と三脚の望遠鏡
目次

月食で月に映る地球の影は毎回丸い弧を描く

月食で太陽・地球・月が一直線に並び、月に映る地球の影が丸い弧になる様子の図

月食とは、太陽と地球と月がほぼ一直線に並び、地球の影が月に落ちる現象です。このとき月に映る影の縁は、いつ観察しても丸い弧を描きます。

もし地球が平らな円盤なら、月との位置関係によっては影が細長くなったり、まっすぐな線に見えたりする場面が出てきてもおかしくありません。ところが実際の月食では、どの角度から見ても影の縁は円弧状です。どの向きでも丸い影になるという点が、球体の地球とぴったり合っています。

観察のやり方は難しくありません。月食の日時と見える方向を天文情報で調べ、双眼鏡やカメラで影の形が変わっていく様子を追い、写真に残します。月食は年に何度も起こる現象ではないので、予定は早めに押さえておきましょう。

2026年3月3日の皆既月食では約1時間にわたり月が欠けきった

日本でも、月食を見る機会は定期的にあります。2026年3月3日には、日本全国で同じ時刻に皆既月食が見られました。月は18時50分頃から欠け始め、20時04分から21時03分までの約1時間が皆既食でした。同じ2026年には、8月27日から28日にかけて部分月食も起きています。

次に日本全国で見られる皆既月食は、2029年1月1日の予定です。2026年10月から数えると2年あまり先なので、道具をそろえたり撮影の練習をしたりする時間は十分にあります。

皆既食の月が赤銅色に見えるのは地球に大気があるため

皆既食のあいだ、月は真っ暗にはならず、赤銅色に見えます。太陽の光が地球の大気を通るとき、赤い光が残りやすく、その光が大気でわずかに曲がって月に届くためです。赤さの度合いは大気の状態で変わり、オレンジ色から赤銅色、こげ茶色まで幅があります。

月が赤く見えるという現象そのものが、地球に大気があり、その縁をかすめた光が月まで届いていることの表れです。影の丸さに加えて色の変化も記録しておくと、同じ月食でも観察の中身がずっと厚くなります。

スマートフォンと三脚があれば地球の影の縁を記録できる

月食の撮影は、スマートフォンでも三脚で固定すれば十分にこなせます。欠けていく様子を一定の間隔で撮り、何枚かを並べたり重ねたりすると、地球の影の縁が丸い円弧になっていることがはっきり分かります。手持ちで撮ると1枚ごとに構図がぶれて比べにくくなるので、三脚は省かないでください。

棒の影の角度を比べるエラトステネスの方法では地球一周が約45,000kmと出る

エラトステネスの方法で2地点の角度差7.2度と距離約900kmから地球一周約45,000kmを求める図

離れた2地点で棒の影の角度を比べれば、地球の大きさまで計算できます。この方法を最初に使ったのが、古代ギリシャの学者エラトステネスです。地球が球体であることを前提に、角度の差と距離から地球の周囲の長さを求めます。

手順を表にまとめると、次のようになります。

手順やることポイント
1南北にほぼ同じ経線上にある2地点を選ぶ経度がずれると誤差の原因になる
2同じ時刻に、各地点で棒を地面に垂直に立てる影の長さから太陽の角度を求める
32地点での太陽の角度の差を求めるこの差が緯度の差に相当する
42地点間の距離を測る正確な距離ほど結果の精度が上がる
5距離÷角度の差×360度を計算する地球一周の長さの目安が出る

エラトステネスの場合、2地点間の距離は約900km、角度の差は7.2度とされます。900を7.2で割ると125、これに360を掛けると45,000です。現在知られている地球一周の長さは約40,000kmなので、誤差は約12.5%になります。

古代の道具しかない時代に、誤差を1割ちょっとに収めたのはたいしたものです。誤差が出た理由としては、地球が完全な球ではないこと、測定値そのものが正確ではなかったこと、2地点の経度が異なっていたことが挙げられています。

平らな地球では2地点の影の角度にこれほどの差は出ない

地球が平面で、太陽がはるか遠くにあるとすると、離れた2地点で棒の影の角度にこれほどの差は生まれません。平面のまま説明しようとすれば、太陽がすぐ近くにあるモデルを持ち出すしかなく、そのモデルは別の観測と食い違います。2地点で角度が違うという結果は、球体の地球でいちばん素直に説明がつきます。

この実験の難しいところは、離れた場所で同時に観測しなければならない点です。協力してくれる知人を見つけ、観測の時刻をそろえる段取りが要ります。棒が傾いていると角度が狂うので、水準器を用意しておくと安心です。

地図と歩数を使えば地球の大きさを自宅の近所で測れる

協力者がいなくても、地図を使えばエラトステネスと同じ考え方で地球の大きさを見積もれます。学校の教材でもこの方法が使われていて、岩手県の教育機関の教材には具体的な手順が載っています。

最初に、地図上で2地点の緯度の差を調べます。緯度の差は2秒以上とり、きりのよい数字にしておくと計算が楽です。次に2地点間の距離を調べます。距離が短いほど誤差は大きくなりやすいので、無理のない範囲でなるべく離れた2地点を選びましょう。

距離を測る道具として使えるのが、自分の歩数です。10メートルの距離を歩いて歩数を数え、1歩あたりの長さを出しておけば、あとは2地点間の歩数を数えるだけで距離がわかります。エラトステネスも、2点間の距離を商人や旅人が歩いた日数から決めたとされます。歩数で距離を出すのは、それと同じ発想ですね。

江戸時代の測量家・伊能忠敬も、2地点の距離と緯度の差を使って地球の大きさを測りました。同志社中学校の学習プロジェクトでは、この話を紹介したうえで、生徒たちが同じ測定に挑戦しています。

計算式は「2地点間の距離÷緯度の差×360度=地球の全周の目安」です。南北に近い2地点を選び、地図サービスで緯度を確認すれば、特別な機材がなくても自宅の近所で試せます。

南半球と北半球では見える星空がまったく違う

地球が平面なら、どの地点から見上げても同じ夜空が広がることになります。実際には、南半球と北半球で見える星空は違います。北半球では北極星が見えますが、南半球の多くの地域では見えません。逆に、南半球でしか見えない星座もあります。

南半球の星は天の南極を中心に時計回りに回る

星の回り方も、南北で逆向きです。北極では星が反時計回りに回って見えるのに対し、南極では時計回りに回って見えます。南半球の星は、地球の南極の上空にある天の南極を中心に回転しています。

平面モデルでは、星空全体が北極星というひとつの中心のまわりを回ることになります。中心が北と南に2つある動きは、ひとつの中心点では説明できません。球体モデルを支持する側が南半球の星空を重く見るのは、このためです。

星座早見盤や天体アプリを使えば、緯度の違う地域でどの星が見えるかを家にいながら調べられます。海外に出かける機会があれば、現地の夜空を撮影して、日本で撮った写真と並べてみてください。

時差と昼夜のずれも球体の地球と合う

国や地域によって昼と夜のタイミングがずれることも、地球が球体であることと合っています。外国に住む友人や家族と連絡を取り、同じ瞬間の空を写真で見せ合うと、こちらは夜なのに向こうは昼という状況がすぐに確かめられます。時差という言葉では知っていても、写真1枚で実感すると印象がまるで違いますよ。

望遠鏡で見る木星は縞模様の動きから自転まで観察できる

望遠鏡や双眼鏡を使うと、木星や土星が丸い円盤として見えます。木星は縞模様が移動していく様子から、自転していることも観察できます。数日間続けて観察すると、天体が球体として回っている様子が実感としてつかめます。

では、惑星が丸ければ地球も丸いと言えるのでしょうか。惑星が球体であることは、それだけでは地球が球体である直接の根拠になりません。それでも、地球だけが特別な形をしていると考える理由は乏しく、他の天体の観察結果は、球体の地球という見方を支える材料のひとつになります。望遠鏡の観察は単独で使うより、月食や星空の観察と組み合わせたほうが説得力が出ます。

遠ざかる船は船体から先に水平線へ隠れていく

海岸や港から遠ざかる船を見ていると、船は全体がただ小さくなっていくのではありません。船体が先に水平線の下へ隠れ、マストなどの高い部分があとから隠れます。港へ戻ってくる船では逆の順番になり、マストが先に、続いて船体が水平線から現れます。

地球が平面なら、船は全体が小さくなるだけで、下から隠れていくことはありません。船が下から隠れるのは、地球の曲面の向こう側へ進んでいくからです。大きな湖や海岸で遠くの船や建物を観察すれば、この違いを自分の目で確かめられます。

身長約180センチの人に見える水平線は約4.8キロ先

観察の精度を上げるいちばんの方法は、できるだけ高い場所から見ることです。見える水平線までの距離は目の高さで変わり、身長約180センチの人が立って見る水平線は、およそ3マイル(約4.8キロ)先とされます。山の上や高い建物の上に登れば、ずっと遠くまで見渡せるので、より遠い船が沈んでいく様子を追えます。

天気も結果を左右します。空気が澄んだ晴れの日のほうが、船体からマストへと隠れていく順番をはっきり確認できます。双眼鏡や望遠レンズで、船体が隠れてマストだけが見えている状態を撮影しておけば、あとから何度でも見返せるでしょう。

水面近くでは大気の屈折で見え方が変わる

この方法でいちばん気をつけたいのが、大気の屈折です。水面のすぐ近くでは光の曲がり方が特に大きくなり、条件によっては本来なら隠れて見えないものが見えたり、反対に実際より低く見えたりします。蜃気楼のような現象で見え方が変わる日もあります。

1回の観察だけで結論を出すのは早すぎます。観測した高さ、距離、気温や湿度を必ず記録し、別の日に何度か観察して結果を比べてください。屈折を甘く見ると何が起きるのか。その典型がベッドフォード・レベル実験です。

ベッドフォード・レベル実験は視線の高さを変えると結論が逆になった

ベッドフォード・レベル実験で目の高さ約20cmと約4mの観察結果を比べた図

水面が平らに見えたという観察から地球平面説を唱えた有名な例が、ベッドフォード・レベル実験です。イギリスのウェルニー付近にある、まっすぐな運河(ベッドフォード・レベル)で、サミュエル・ロウボサムが実験を行い、水面が平らであることを根拠に地球は平面だと主張しました。

問題は視線の高さでした。ロウボサムの目は水面のごく近く、約8インチ(約20センチ)程度の高さにあったとされます。水面のすぐ近くは光の屈折が大きく、観測が乱されやすい条件です。水面が平らに見えた原因は、この屈折にありました。

1870年の賭けでウォレスが500ポンドを受け取った

1870年、ジョン・ハンプデンという支持者が、ロウボサムの実験を再現すれば地球が平面だと示せるとして賭けを持ちかけました。受けて立ったのは、博物学者のアルフレッド・ラッセル・ウォレスです。

ウォレスは視線を水面から約13フィート(約4メートル)の高さまで上げ、屈折の影響を減らしました。さらに運河の途中に目印となる棒を立て、水面の膨らみが分かりやすくなるよう工夫しています。その結果、水面が球体の曲率に沿って曲がっていることが示されました。

審判を務めたジョン・ヘンリー・ウェルシュはウォレスの勝ちと判定し、賭け金の500ポンドを渡しました。ところがハンプデンはこの結果に異議を唱え、もう一人の審判ウィリアム・カーペンターも、結果は平面を支持すると主張しています。

同じ運河で同じ実験をしても、視線の高さが約20センチか約4メートルかで、結論がまるで逆に見えてしまいました。自分の手で確かめるなら、できるだけ高い位置から観察し、途中に目印を置く工夫を省かないことです。

支持者自身のジャイロスコープ実験は1時間に約15度の自転を検出した

2018年に公開されたドキュメンタリー『Behind the Curve』は、フラットアース支持者を追った作品で、日本ではNetflixなどで紹介されました。作中には、約2万ドルをかけた実験の場面が登場します。

ボブ・クノーデルらが使ったのは、リング・レーザー・ジャイロスコープという高精度の装置です。地球が自転しているかどうかを検出でき、地球が自転していなければ回転を検出しない仕組みになっています。

ところが装置は、1時間あたり約15度のずれ(ドリフト)を検出しました。自転する球体の地球で予想される値と一致する数字です。クノーデルは驚き、すぐには結果を受け入れませんでした。磁気を遮蔽する容器に装置を入れて測り直したものの、同じ結果になったと伝えられています。

1時間に約15度という数字は、24時間で360度、つまり1日でちょうど1回転にあたります。支持者自身が高額な装置で行った実験が、自分たちの予想と違う結果を出した例として、この場面は複数のメディアで取り上げられました。

実験をするなら、どんな結果が出ても受け入れると先に決めておく必要があります。その覚悟がないまま測っても、2万ドルをかけた装置ですら何も確かめたことにはなりません。

南極で24時間沈まない太陽を確かめた遠征「The Final Experiment」

夏の南極では、太陽が沈まない白夜(真夜中の太陽)が起こります。地球の自転軸が傾いているため、南半球が太陽の側を向く時期に生じる現象です。フラットアース説の支持者の中には、南半球で24時間太陽が出続けることはないと考える人もいます。

この点を現地で確かめようとしたのが、ウィル・ダフィ氏が企画した遠征「The Final Experiment(最後の実験)」です。フラットアース説を広める発信者と、地球は球体だと考える参加者を一緒に南極へ連れて行く企画でした。両陣営は事前に、南極で24時間途切れなく太陽が見えたらフラットアース説は否定される、という点で合意していたと伝えられています。

遠征に参加したジェラン・キャンパネラ氏は、この体験で考えが変わったと述べました。彼は長年、南半球に24時間の太陽はないと信じていたそうです。その一方で、他のフラットアース説の関係者の中には結果を受け入れず、映像はスタジオでグリーンバックを使って撮影されたものだと主張する人もいました。

同じ太陽の記録を前にしても、受け取る側の姿勢しだいで結論は変わります。ジャイロスコープの例と、よく似た構図ですね。

1899年のサザンクロス探検隊も南極の24時間の日照を記録していた

南極の沈まない太陽は、現代になって初めて報告された現象ではありません。1900年代初頭の探検家の日記にも、南極での24時間の日照が記されています。1899年のサザンクロス探検隊の記録もそのひとつで、NASAが誕生する数十年前に書かれました。平面モデルでこうした古い記録まで説明しようとすると、別の仮定を重ねるしかなくなります。

フーコーの振り子を使えば地球の自転を家で確かめられる

地球が球体であることに加えて、自転していることも自分で確かめられます。その代表がフーコーの振り子です。フーコーの振り子は、地球の自転を示した最初の明確な証拠とされています。振り子の振れる面が少しずつ回って見えるのは、コリオリ効果の現れです。

振り子の面が1回転する時間は緯度で変わる

振り子の面が回る速さは、観察する場所の緯度によって変わります。

観察する場所振れる面の回転
極約24時間で1回転する
中間の緯度1回転に1日より長い時間がかかる
赤道まったく回らない

日本の緯度では回転がゆっくりで、短時間では変化が小さく見えます。数時間にわたって観察するつもりで準備してください。

イタリアの大学のグループは、ごく簡単な装置で1時間のタイムラプス動画を撮影し、そこから振り子のおもりの位置を取り出して、振れる面の回転を測りました。グループは、この方法は非常に簡単で、高校などでも再現しやすいと述べています。

家庭でフーコーの振り子を試すなら固定具の揺れを抑える

家庭で試すなら、カメラと十分に長い糸、安定した固定具を用意します。固定点が揺れると結果が大きく乱れるので、固定具だけは手を抜かないでください。極以外の場所では、振り子をつり下げている点そのものも地球の自転で動いているため、厳密な意味での固定点にはなりません。小さな振り子でも、緯度に応じたゆっくりした回転が見えるのはこのためです。

ジャイロスコープ実験と同じく、フーコーの振り子も、自転する地球でなければ説明が難しい観測です。

南半球を結ぶ飛行機の路線は球体の上で見ると素直な経路になる

旅行の予定があるなら、飛行機の路線も地球の形を確かめる材料になります。

検証サイトのMetabunkは、オーストラリアと南米を結ぶQantas航空の便(QF27、QF28)を取り上げています。平面の地図に描くと遠回りの不自然な経路に見えるものの、球体上の大圏航路として見れば説明がつく、という議論です。大圏航路とは、球面上の2点を結ぶ最短の経路を指します。球の上に大圏ルートを描き、いろいろな角度から眺めると、直線に見える理由がよく分かります。

もうひとつよく使われる論点が、対蹠点(地球の裏側にある2点)どうしの飛行です。球体であれば、対蹠点どうしはどの経路を選んでもほぼ同じ距離になります。この性質は、球体の地球でなければ説明しにくいものです。

自分で試すなら、まず南半球の2都市を結ぶ路線の飛行時間を、航空会社の時刻表で調べます。次に、同じ2都市の距離を地球儀や地図サービスで測ります。最後に、平面の地図で測った距離と飛行時間がかみ合うかを比べてみてください。路線は時期によって変わるため、最新の運航状況は航空会社の公式情報で確認しましょう。

フラットアース説を信じる人の背景には権力への不信と仲間とのつながりがある

実験の結果を見せても、考えが変わらない人はいます。その理由を知っておくと、家族や友人とこの話題になったときに無駄な衝突を減らせます。

ある学術論文は、フラットアース説を信じる3人の人生の物語を分析し、認識に関する動機、社会的な動機、実存的な動機が重なって信念が採用されていく過程を示しました。この説が人間を宇宙の中心に置き、人生に意味を与える包括的な世界観を提供している点を、論文は重く見ています。

CNNは研究者の見解として、信者には政府やNASAなどの権力への不信があり、自分が納得できる証拠に目が向くことで世界観が正当化されていくと報じました。安心感や信頼感を求める心理も、そこに加わります。信じたことで家族や友人と距離ができると、同じ考えを持つコミュニティから離れにくくなるという面もあります。

日本でも、陰謀論を信じる人は珍しくありません。京都府立大学の秦正樹氏による2021年の調査では、約27%の人が、世界的な大事件の背後に秘密のエリート集団がいると考えていたとされます。

フラットアース説を支えているのは、権力への不信、意味や安心への欲求、仲間への帰属意識です。実験結果を相手に突きつけるだけでは、話はまず前に進みません。相手と一緒に条件をそろえ、同じ記録を見ながら考えるほうが、ずっと実りのある対話になります。

地球平面説を確かめるための準備は日付と時刻の記録から

家庭で試せる実験ごとに、用意するものと事前にやることを表にまとめました。

実験用意するもの事前にやること
月食の観察三脚、カメラ、双眼鏡月食の日時と見える方向を調べる
棒の影の比較棒、水準器2地点で同時に観測してくれる協力者を探す
地図と歩数地図サービス10メートルの距離で自分の歩数を数えておく
星空の比較星座早見盤か天体アプリ緯度の違う地域の知人に、同じ時間帯の空の写真を頼む
船と水平線双眼鏡や望遠レンズ高い場所と晴れた日を選ぶ
フーコーの振り子長い糸、安定した固定具、タイムラプス撮影ができるカメラ数時間分の観察時間を確保する

どの実験にも共通するのが、日付、時刻、場所、天候、道具の記録です。写真とメモを残しておけば、あとで見返したときに条件の違いに気づけますし、他の人が同じ方法で再現することもできます。同じ方法で何度か繰り返せば、偶然や思い込みで結論を出してしまう危険も減らせます。

家で試せる6つの方法はどれも球体の地球と合う結果になる

月食の影の丸さ、棒の影の角度の差、地図と歩数で出す地球一周の目安、南北で違う星空、望遠鏡で見る丸い惑星、そして船が下から隠れていく水平線。家庭で試せるこの6つの方法は、条件をそろえて行えば、どれも地球が球体であることと合う結果になります。

平面に見える結果が出るのは、ベッドフォード・レベル実験のように屈折の影響を受けやすい条件で観察した場合です。結論が平面に傾いたときは、視線が低すぎないか、観察が1回きりになっていないか、記録がきちんと残っているかを疑ってください。

最初の一歩として手軽なのは、2029年1月1日の皆既月食に向けて、スマートフォンと三脚で月を撮る練習を始めることです。満月の夜に何枚か撮っておくだけでも、本番の月食で影の縁を追うときの手際がまるで違ってきます。

信じる人の心理や、この説が陰謀論として広まった経緯はフラットアース説を信じる人の心理と陰謀論の背景で詳しくまとめています。家族や友人とこの話題になる前に読んでおくと、相手の考えがどこから来ているのかをつかみやすくなります。

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